年上同期の独占愛~ずっと側に
駅まで手をつないで歩いていく途中に、前から気になっていたカラス張りのお店があったので聞いてみる。

「このお店、行ったことある?」

「ないんだ。前から気になってて。今度行ってみようか。」

「うん。今少しだけ寄ってこうよ。1杯だけ飲みたい。」

「・・・俺はいいけど、大丈夫か?」

「うん。まだ時間も早いし、1時間くらい大丈夫だよ」

あまり気が進まない様子の橋本さんに半ば強引に誘ってしまう。泊まるのはあきらめるが、もう少しだけ一緒にいたい。

お店に入ると、想像していたより静かなお店で店員さんおしゃれな雰囲気から若い子たちが多いのかと思っていたら、意外にもダンディなおじさんが一人でカウンターの中に入っていた。

橋本さんに甘めのカクテルを選んでもらって、飲み始める。
軽いやつを選んでもらったのもあり、気分よく飲んでいると、元々お酒に強い橋本さんは結構なペースでガンガン飲み始めた。

「そんなに飲んで大丈夫?」

「ん?平気。明日休みだし。」

「明日、何か用事あるの?」

「ううん、特にないよ。」

「じゃあ、明日映画見に行こうよ。見たかったやつあるの。」

「おう。行こうぜ。午後のほうがいいよな。今週仕事も忙しかったんだろ?」

「まあね。だけど大丈夫。橋本さんと会うのなら全然平気。」

そういうと、橋本さんが下を向いて黙りこんでしまった。もしかしたら疲れているのだろうか。私が誘ってしまったので無理をさせてしまっているのかもしれない。

「あの、やっぱり明日じゃなくて、また今度にしようか。」

「ん?何で?」

「何だか疲れてるみたいだし。映画ならいつでも見られるから。明日はゆっくりして。」

「ううん。萌々香が平気なら俺は行きたい。行こうぜ。」

「・・・うん・・・」

本当に大丈夫かな。無理してないかな。仕事で何か気になることがあるのかな、とか一人でグルグル考えてたら急に酔いが回ってきた。ヤバいな、と思い、ちょっとトイレと言って、席を立つ。

鏡をみたら顔が真っ赤だ。もうこれ以上は飲めないな。いつになったらもっと沢山飲めるようになるんだろう。ふう、とため息をついて席に戻ると、橋本さんがお会計を済ませて待っていてくれた。

「ごめんなさい、お金・・」

「いいよ。顔真っ赤だぞ。帰れる?」

「帰れるよ。」

< 209 / 228 >

この作品をシェア

pagetop