裏切り

翼side①


あの日、告白してから
千亜季と変わらずに過ごしている
“ 千亜季 ” と、呼び捨てに
することも···なれた·····?

千亜季の仕事が早く終わる日は
一緒に食事をしたり
飲みに出かけたり
休日は、ショッピングをしたり
映画をみたり、水族館へ行ったりと
楽しく過ごしている。

今までの俺では、あり得ないことだ。

だけど、
千亜季が、忙しいときは
ラインや電話で終わる日もある。

だけど、千亜季を知らない頃には
戻れないほど
俺は、千亜季に陶酔していた。

千亜季からも
俺に対して気持ちがあるのがわかる。
それが、とても嬉しい。

「千亜季、お疲れ様。
明日、大丈夫?」
「翼さんもお疲れ様。
病院、忙しかった?
明日、大丈夫だよ。
明日の為に仕事調整したんだから。
楽しみ。」

明日は、今度出来た
水族館と、その横にある公園に行く。

その二つの話をしたら
是非、見たいと
千亜季は、とても喜んでくれた。

俺としては、水族館に
千亜季を連れて行きたかったのと
横の公園を若いガーデンプランナーが
数名でデザインをしたと
ネットでみた事を話すと
千亜季もその事は耳にしていて
見てみたいと思っていたの、と
喜んでくれた。

「じゃ、9時に」
「はい、とっても楽しみ。」
「少し、妬けるな
俺に会うより、公園をみるのを
そんなに楽しみにしていて。」
「うふふっ、翼さんと
行くから余計、楽しみなんだよ。」
「····それ····が···ほんとなら嬉しいな」
「くすっ、本当。」
「ありがとう。千亜季、好きだよ。」
「·····えっ····もぅ····恥ずかしい···」
幸せな気持ちで電話を切った。

まさか、明日あんなことが
あるなんて・・・・
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