美術室のユーレイ
「じゃあさ、こんなのはどう?」
っと思っていたら珍しく案を出てきた。
「どんなの?」
それは柵に手をかけ、景色を眺めているポーズだった。
でもそれ…
「前にも描いたよ?」
たしか1週間くらい前に同じポーズで絵を描いたはず。
すると彼は首を横に振った。
「違うよ。それは後ろからだったでしょ?今回は横から描いて」
「難しい?」と彼は首を傾げて聞いてくる。
あーなるほど。
同じポーズでも角度によっては違く見えるんだ。
「いいよ、そうしよ!」
「やった!」
私が承諾すると彼は嬉しそうに笑った。