美術室のユーレイ
「叶多くん!」
私は叶多くんの元へ走り、抱きついた。
叶多くんも優しく抱き締め返してくれる。
叶多くんの腕の中。
私は子どものように泣きじゃくった。
「叶多くん…ごめんなさい。私…叶多くんを助けることができなかった…叶多くんは何度も私のことを助けてくれたのに、私は…」
叶多くんは首を横に振る。
「そんなことないよ。舞空はちゃんと俺のことを助けてくれたよ」
「え…?」
涙でぐちゃぐちゃな顔を上に向ける。
そこには優しい表情を浮かべた叶多くんの顔があった。