美術室のユーレイ
「だって今俺、生きてるもん」
平然と言い放つ叶多くん。
私は目を白黒させた。
「いき、てる…?」
「うん。俺も生きてるし、舞空だってちゃんと生きてる」
「どういうこと…?消えたんじゃ…」
「みてて」
パチッ
叶多くんが指を鳴らすと辺りが渦を巻いたかのように歪み始めた。
今までいた光の世界が歪み、やがて別の世界が映し出される。
その歪みが消えると、私たちはまったく別の場所にいた。