美術室のユーレイ
ここは…
「第2準備室」
私たちが出会った、美術第2準備室こと部室にいた。
「元の世界…」
「ね?戻ってこれたでしょ?」
叶多くんは笑顔を向けてくれてるけど、私は理解が追いつかない。
「どうして?」
それに記憶も受け継がれている。
叶多くんはいつものように窓の外を見つめた。
空は雲ひとつない夕焼け空で、夕日が眩しかった。
その叶多くんの横顔に胸が締め付けられた。
「舞空が俺の本当の名前を聞いてきた、あの日。俺はなんだか嫌な予感がした。舞空がなにか突拍子もないことをしだすんじゃないかって」
眩しいのか叶多くんは目を細めた。
「だから俺は行ったんだ…神様のところに」
「神様?」
「舞空がなにをしようとしているのか教えてもらいにね。でもぜんっぜん教えてくれねぇの。ま、当たり前っちゃ当たり前なんだけど」
そういえば叶多くんは神様と友だちだったことを思い出す。