美術室のユーレイ
「でも私、失敗しちゃった。針を5回鳴らしちゃったんだもん…消えちゃうよ」
私が暗い表情をすると、叶多くんはそれを安心させるかのような笑顔を見せた。
「そんなことないよ、みてて」
そう言うと下校している生徒に向かって部室の窓から「おーい!」と手を振っている。
何をしているのかとあわてて窓から覗くと
「なんだよ叶多」
「真城くん、ばいばい」
みんなが口々にそう言って手を振り返している。