美術室のユーレイ


拭っても拭っても出てくる涙。



それでも頑張って声を出した。



私の気持ちを伝えた。





「私、も」



「ん?」



「私も叶多くんが好き!小学生のころからずっと…好きだった」




人生初の告白はひどい顔だったけれど、それでもしっかり想いを伝えた。



叶多くんは予想していなかったようで、動揺した様子を見せた。





「う、そ。舞空も?小学生のころから?」




私は何度も頷く。



「そっか、俺たち両思いだったんだ」



視界は涙で遮られ、叶多くんの表情はわからなかったけれど、優しい声色をしていた。

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