溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を
「………柊こそ私から離れないで………お願いよ………」
風香は寝ている柊の体に近づき彼の胸に手を当ててくっついた。昨日のようにギュッと強く抱きしめて離さないで欲しい。風香は目を閉じ、強く願った。
「ん………風香ちゃん?………どうしたの?眠れない?」
風香が触れた事で彼は起きてしまったようで、眠たい目を擦りながら風香を見つめている。その表情は穏やかでとても優しかった。
「ううん。何でもないの。くっついて居たくなっただけだよ」
「そうか………まだ夜だから……もう1回寝よう」
そう言って、柊は風香の肩を抱き寄せる。彼が抱きしめてくれるおかげで、先程よりも肌と肌とが触れあう密度が多くなり、風香は嬉しくなって微笑んでしまう。
そんな風香を見て、柊も安心したのか「おやすみ」と言って、また目を閉じた。
しばらくすると、すぐに彼から寝息が聞こえる。最近多忙なので、疲れているのだろう。
風香は子守唄のように聞こえてくる彼の鼓動を聞きながら、彼と同じように目を閉じた。
「おやすみなさい………」
そう呟いて、風香も同じように寝てしまったのだった。