溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を




 「さて、話しはおしまい………だけど、風香ちゃんが俺の部屋に来たいって言うのが1番のしたい事なんて嬉しいな」
 「えっと………柊さん………?」
 「可愛いなって思って我慢出来なくなった………」
 「………んっ…………」


 柊の顔がさらに近づき、形のいい彼の唇が風香の唇を覆った。突然のキスはとても深かった。
 咄嗟に口を閉じてしまうけれど、柊が軽いキスをしたまま風香の顎を指で触れ、それを優しく引くと自然とうっすら口が開いてしまう。そこを見逃す柊ではなかった。
 そこから柊の舌が風香の口の中に侵入してくる。ゾクリとした甘い感触に、風香の体は震えた。
 甘い声が洩れる。それが自分の声だと思うと、一気に恥ずかしさが増してしまう。

 キスが終わると、柊は風香の耳元に顔を寄せた。

 「誕生日、日付が変わるまでお祝いさせて」
 「………っ………」


 熱を帯びた低い男の人の声。
 耳に触れるぐらいに近くで言葉を紡がれ、体が大きく震えてしまう。
 そんな反応を見ても、柊は愛おしそうに見つめ、その後に風香を抱きしめてくれるだけだだった。
 何を期待してしまったのか、風香は自分の感情に気づいて咄嗟に目を強く閉じた。

 風香は誕生日は長い時間過ごせる事。
 そして、久しぶりに彼を深く感じられることを期待してしまい、顔や首までも真っ赤にしてしまったのだった。




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