もう一度だけ、キミに逢いたい。

* * *


あれから二日。


ゆりちゃんは眠ったまま一向に目を覚ます気配がない。


たまに苦しそうに寝言を言ったりしているけど、すぐにスーと寝息が聞こえてくる。




私はゆりちゃんのことが心配で大学の講義には行っていない。


麻衣やクイズ研究会のメンバーからは心配するようなラインがばんばん来ていたので、とりあえずしばらくは大学に行けないとだけ伝えておいた。


それだけ伝えれば、私の事情を少なからず知っているみんななら察してくれるだろうと思って。




……そろそろお昼時だけど、なんだか食べる気がしないなぁ。


いつもゆりちゃんの健康のためを思って気合を入れて作っていた食事。


ゆりちゃんは出逢った当時は拒食症で、最初はずっと栄養ゼリーやタブレット しか食べられなかった。

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