もう一度だけ、キミに逢いたい。

なんでっ……どうしてッ……!!


これが現実だということを心が受け止めきれず、俺は一ヶ月もの間学校にもゆりの入院している病院にも行かずに家に閉じこもった。


光さんが家にお見舞いに来てくれたって聞いてやっと部屋の外に出たんだっけ。


あれももう半年前のことか……




相変わらずベッドで眠ったままのゆりの手を握りながらじっとゆりの顔を見つめる。


事故に遭ってからの約半年間、ゆりは一度も目を覚ましていない。


医者によればもうすでに山場は越えたので、後は目が覚めるのを待つだけだと聞いた。


ただ、あれだけの出血量で生きていたこと事態が奇跡的らしいために、このまま目を覚さないことも覚悟してほしいとのこと。


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