もう一度だけ、キミに逢いたい。

…だから、そういうとこだって。




『……わたしがここまで変われたのは、これまで出逢ったすべての人と出来事のおかげだとわたしは思ってる。きっとどこかで一つでも違う選択をしていたら、わたしは今ここにいない。それに……』


わたしはギュッと光ちゃんの手を握る。




『あの時からずっとそばにいてわたしを支えてくれた光ちゃんは、少しずつだけどわたしの傷を小さくしてくれていたよ?だって生きる希望なんて何一つなかったわたしに、“光ちゃんのために生きる”という希望を見出してくれたんだから……。わたしは今までもこれからもずっとずっと光ちゃんのこと、本当の家族だって思ってるよ?』




血とかそんなの、関係ない。


きっと、本人達が本当の家族だって思ったら、もう本当の家族なんだって、そう思う。


…まあ、これはわたしも今気づいたことなんだけど。




『っ……私、分かった気がするっ……』




『…え?』


わたしは、驚いた。


だって、そう言ったと思ったら、目から涙を流しながらも、光ちゃんはどこか晴れやかな顔をして微笑んでいたから。


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