東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
遥は摂津に向き直る。
色んな事が目まぐるしく起こる。
誰が何のために、何をしているのか。
決着をつける。

摂津は見るからに、力を無くしていた。
先程までの、覇気はなく目も虚ろだ。
御業の結界の効力が、功を奏している。


遥は念じた。
伊號丸に。
【頼みます。紅蓮斬】
【おう】
力の奔流は、念として還元。本体の木刀へ溜める。
それは熱として、色として具現化する。
黒い木刀は赤黒く染まった。
「紅蓮斬!」
遥が上段から袈裟斬りにすると、赫い熱波が弓状に放たれた。
受けようとした、摂津の3本の左腕はそのまま斬り落とされ、胸から腹にかけてざっくり切り傷が出来た。
摂津が呻く。
その刹那、既に護符連陣を切った柊一は護符を弓に見立てて構えていた。
真琴のサポートもあり、霊力はフルである。
ひぃあ!叫びながら放った矢・護符は勢いよく摂津へ向かった。護符を掴まんとした右腕は、護符に穿かれ爆裂した。続く2撃3撃が到達し、残る2本の腕をも爆砕させた。
時には、飛鳥の姿はもう右の拳を振るう体制に入っていて、拳の周りには念の幕が張っていた。
摂津の腹の辺りを捉えた拳は、当たる瞬間に爆烈して身体を後方へ吹き飛ばした。
くの字に飛んだ摂津は、結界の見えない壁にぶち当って跳ね返り、どぉっと地面に叩きつけられていた。






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