東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
色んな事柄が一気に溢れて、二人は疲労困憊だったが、話さなければならない事も多々あったのだ。

柊一が口を開く。
「王道家当主王道遥、お疲れ様でした」
いつに無く、慇懃である。
「この度、王道家と藤堂家、鳳竜堂家、
龍王院家との繋がりが判りました。祖父達が命を救って頂いたのですね。王道漣左様がいなければ僕達は存在しなかった事になるので、感謝しかありません」
「僕も知らない事だらけで。驚きの連続です」
遥は、おタカが自分の祖母であった事、おタカと源さんはもう亡くなっているらしい事などを簡潔に伝えた。
「そうだったのですね。王道家と上遠野林田家の繋がりと、御業の結界の守り人である事も関連性があるのかも知れまれんね。待っていた、という供述が何を表しているかですね」
柊一の分析である。続けて、
「僕がこちらに来る前、御業の結界の使用記述の事を伝えましたが、30年前、鬼?と書き足されていた、アレです。あれは摂津秋房との関連があるか分かりません。誰が利用したかも記入されてなかったのです。それと今日、結界の一部に細工がされていた事。摂津自体、あの岩には触れませんし、分かってもいませんでした。誰が行ったのかが解りません。何の為に……。これではまるで、僕達が来る事を知ってて行ったか、単なる偶然なのか…。偶然とは思えませんが」
と、考え込む。
確かに考えれば不可解な事が多い。不安な何かが渦巻いている。
東京に戻らなければいけない。
それが重要であった。

遥は一つ気になっている事を訊いた。
「柊一さん、付き合いは短いのですが、今日の戦闘中柊一さん様子が変じゃなかったですか?」
別段様子は変えなかったが、眉根が少し歪んだ。
そこに気がついたか。柊一は思い改めて話す。
「霧華さん来たじゃないですか」
急に霧華の名が出たので遥は驚いた。
「傀儡師でしたか、僕も初めて遭いました。アイツに操られていたとはいえ、岩の修正を狙ってあそこまで来てました」
そうなのだ。霧華の登場、更に傀儡師に操られている、そんな状況で頭に血が上ってしまったが、確かにおかしい現れ方だったのだ。そして何故、結界の異常に気がついていたのか。謎である。
仮説ですが、と柊一は前置きして。
「霧華さんは、以前に御業の結界に来た事があるんじゃないですか?」
初耳である。
霧華とは、仲がいいと思っている。
色んな相談事や悩みなども、共有して生活して来たのだ。二人で乗り越えて生きてきたのだ。
そんな事があるのか?
遥はまた不安の渦に巻かれていた。








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