16歳、きみと一生に一度の恋をする。


晃といると心が安らいだ。自分の中にある黒い感情が萎んでいくような気さえしていた。

本当に……私だけなにも知らずにバカみたい。

「なんで私の手紙をカバンに入れて持ち歩いてたの? いつか私に見せようとしてた?」
 
「ち、違う」

「手紙を読んでお父さんはいつもなんて言ってる? あんたのお母さんはどんな顔してた? どうせ気にもしてないんでしょ。そんなのわかってるよ。でもいいじゃん、べつに。裏切り者って手紙を送ってもそっちの幸せは崩れることはないんだから」

こんなこと言ったって仕方ないのに、言葉が止まらない。

晃は私のことをじっと見ていた。

そんな、ビー玉みたいな澄んだ瞳で見ないで。

自分がさらに汚く感じてしまう。


「手紙は俺しか知らないよ」

「……え?」

「お前からの手紙は全部俺が預かってて、あの人も母さんも一度も見てない」

そう告げられて、スッと肩の力が抜けた。

……今まで送っていた手紙は、お父さんに届いてなかった?

じゃあ、なにも知らないの?

私の叫びはずっと届いていなかったっていうの?


「……余計なことしないでよ!」

声を荒らげると同時に、ベンチから腰を上げた。

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