転生令嬢はまるっとすべてお見通し!~婚約破棄されたら、チートが開花したようです~
 なにより、あんなに嫌な顔をされれば、私たちをよく思ってないことなんて明白だ。
 私に聞こえていたのだから、当然フィデルにも聞こえていたに違いない。こっそりフィデルの様子を横目で伺えば、フィデルも私を見ていたようで、意図せずお互いの目が合った。

 びっくりして、私たちはサッと同じタイミングで目を逸らす。すると、フィデルのほうから私に話しかけてきた。

「……俺と一緒にいると、お前まで悪く言われる。嫌じゃないのか? 俺の世間からの評判は、最悪なのを知っているだろ」
「え? それを言うなら、私だって世間からは〝エリオットに婚約破棄された腹いせに、弟をそそのかした異能持ちの悪女〟くらいに思われてるわよ。フィデルと一緒にいるから悪く言われてるんじゃないわ」
「それでも、〝母親殺し〟のレッテルを貼られている俺とは全然違う。お前の印象を、俺が悪化させているように思えるんだ」

 フィデルがそんなことを気にしていたことに、私は驚いた。周りからどう思われようがどうでもいい、という感じに見えていたから。

「じゃあ逆に聞いてもいい? 私といることだって、世間から見ればフィデルにいい印象を与えないことは確か。そうだとしたら、フィデルは嫌な気持ちになる?」
「別に。周りが勝手なイメージでお前をどう思おうが、俺は本当のお前を知っているし」
「……私も同じ気持ち。嫌なんて思うわけないでしょ? むしろ私、嬉しいの。フィデルが一緒にいてくれることが。それだけで、すっごく心強いし、私にも味方がいるんだって実感する。だから、どれだけ陰口叩かれたって平気。学園時代でも散々言われてたし、慣れっこなのもあるけど!」
< 85 / 147 >

この作品をシェア

pagetop