人格矯正メロディ
「今日はどこへ行くの?」


あたしがそう聞くと、海はいくつかのデートプランを話はじめた。


最近はいつでもこんな感じで、海が行く場所を考えてくれるようになっていた。


「最後に行くのって最近できたフランス料理屋さんじゃないの? そんなところ予約したの?」


あたしは海のプランを聞いて目を丸くした。


普通のレストランよりもリーズナブルだと聞いたことがあるが、それでも高級だろう。


「実は昨日初給料がでたんだ。こうしてバイトを始めることができたのは星羅のお蔭だし、少しくらい頑張らせてよ」


海はそう言ってあたしの手を握りしめてくれた。


その手の温もりにジンッと胸の奥が熱くなる。


海がこうしてあたしのために一生懸命動いてくれるなんて、本当に夢のようだった。


「ありがとう海。あたし海の彼女で良かった」


そう言う声が思わず震えてしまった。


視界がジワジワ滲んできて、涙が頬を流れて行く。
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