人格矯正メロディ
それはいつもの冷たい視線ではなく、のめり込むような深い視線だ。


そして10秒後、音楽は止まった。


あたしはゴクリと唾を飲み込み、そして息を吸い込んだ。


「2人はあたしを甘やかす人になる」


そう言った途端、2人は我に返ったように瞬きをした。


「星羅、おかわりあるけどいる?」


途端にそう言われ、あたしは母親へ視線を向けた。


母親は今まで見たことがないほど満面の笑みを浮かべている。


「ううん。いいよ」


「そう。デザートのスイーツもあるから、沢山食べるのよ?」


「うん」


突然変化した母親に少し戸惑いつつも、上手く行ったことを確信した。
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