人格矯正メロディ
「そういえば高校はそろそろ試験じゃない? 大丈夫?」


ふと思い出したように聞いてくる。


海は学校をやめてしばらく経つけれど、行事についてはちゃんと覚えているみたいだ。


「別に、海には関係ないでしょ」


冷たく言い、海を睨み付けた。


今日のデートは最初から大失敗だ。


海は困ったように視線を空中へとさまよわせた。


どんな会話をすればあたしが満足するか。


どこへ行けばあたしが喜ぶか。


海が懸命に考えている姿に内心ほくそ笑んだ。


海は今まであたしを殴ったり蹴ったりしてきたんだ。


少しくらい、あたしに翻弄されればいいんだ。


それはコトハをイジメているときと同じような感情だった。


誰かの上に立っている。


あたしの方が圧倒的に強い立場にいる。


それが優越感となって全身を駆け巡って行く。
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