人格矯正メロディ
「だって星羅は……」


なにかを言いかけるコトハの頬を、あたしは思いっきり殴りつけていた。


頬を打つ音が教室中に響き渡り、コトハが横倒しに倒れ込んだ。


その拍子に机や椅子が倒れて大きな音が響く。


「なにがいいたいの?」


あたしはコトハを見下ろして聞いた。


コトハが怯えた表情であたしを見上げている。


隣ではあたしの取り巻きたちがクスクスと声を殺して笑っていた。


「あたしはただ……星羅を止めたくて……」


コトハが震える声で言った。


「あたしを止める? なにを止めるっていうの?」


「あのアプリを止めないと……!」


あたしはコトハの腹部を踏みつけた。


コトハは苦しみにあえぎ、顔をしかめてあたしを見上げる。


「なんのことかわかんない。ねぇ、コトハのこと殴ったの誰? あたし以外にも誰かいるんでしょ?」


あたしは教室内にいるクラスメートたちへ向けてそう聞いた。
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