人格矯正メロディ
☆☆☆

海との出会いを思い出したあたしは強くかぶりを振った。


あの時の海は確かに優しかった。


あたしを救ってくれた恩人で、そんなこと初めてだったあたしはすぐに海の事を好きになってしまったんだ……。


でも、あの時の感情は徐々に薄れつつある。


海がちょっとしたことでキレて暴力を振るう人だと、見抜く事ができなかったのだ。


あたしは大きく息を吐きだして宿題のプリントから視線を上げた。


海に殴られた右頬が痛くて、なかなか問題に集中することができない。


家に戻ってからちゃんと冷やしたからこれ以上腫れることはないと思うけど……。


そう考えていたとき、コトハからメッセージが届いた。


《コトハ:ほっぺた大丈夫?》


やっぱりあたしのことを心配してくれていたみたいだ。


ほんの少し、コトハへの罪悪感が胸をもたげてくる。


海と付き合い始めた時は応援してくれていたコトハだけれど、時折青あざを作って登校するようになったあたしを見て、怪訝に思い始めている様子だった。
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