人格矯正メロディ
あたしを見ているのに、見ていない。


そんな感じだ。


嫌な予感がして背中に冷や汗が流れた。


公園内には誰の姿もなく、助けを求める事はできない。


あたしは這うようにして体の向きを変えて逃げ出そうとした。


しかし……向きを変えた先に誰かの足が見えたのだ。


細くて白いその足を見上げていくと……そこにいたのは香澄だった。


あたしは小さく悲鳴をあげて尻餅をついてしまった。


いったいいつからそこに立っていたんだろう?


足音なんて聞こえてこなかったし、気配だって感じなかった。


「香澄……?」


声をかけてみても、香澄は返事をしない。


海と同じような、なにも見えていないような奇妙な目であたしを見つめている。


「ちょっと……2人ともどうしたの?」


重苦しい雰囲気を打開するため、できるだけ明るい声で言った。


しかし、その声は情けないほど恐怖で震えていた。
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