人格矯正メロディ
傷口が痛むからじゃない。


心がキシミはじめたのだ。


「それでも戻さなきゃいけないんだよ。このままじゃ副作用が出ている相手が可哀想でしょう?」


コトハが優しい声で語り掛けるように言う。


あたしはグッと唇をかみしめた。


涙が口内へ入って来てしょっぱい。


「あたしの生活もまた、元通りってことだよね?」


あたしは自虐的な微笑みを浮かべて言った。


また両親の決めたものの中で生きて、海の機嫌を取るのだ。


学校内でもまたクラス最下位に突き落とされてしまうだろう。


「それは違うよ」


「え?」


言い切ったコトハにあたしは顔を向けた。


コトハは柔らかくほほ笑んでいる。


「みんなが元に戻っても星羅は今から変わることができるでしょう?」
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