人格矯正メロディ
「あたしはどうすればいい!?」


もう、藁にもすがる思いだった。


今までコトハの忠告を無視してきていたけれど、今頼れるのはコトハひとりだけだった。


「それも調べてみた。『人格矯正メロディ』が不良品だったから、人格を戻すためのアプリがでてるみたいだよ」


「人格を戻すメロディ……?」


あたしは呟く。


同時に海との楽しかった毎日を思い出していた。


ほとんど引きこもりだった海があたしのためにバイトを始めて、デートプランも全部決めてくれていた。


両親だってそうだ。


いつもは厳しい事ばかりの両親が、あたしの気持ちを尊重してくれた毎日。


人格を戻せば、そんな素敵な毎日は失われてしまうんだ……。


「星羅?」


コトハが俯いたあたしを見て不思議そうな表情を向けている。


「コトハからすれば、相手の人格を戻せばそれで終わりかもしれない。でも、あたしにとっては……」


そう言う両目からボロボロと涙があふれ出していた。
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