人格矯正メロディ
☆☆☆

3階の女子トイレの中には誰の姿もなくて、ちょうど話がしやすかった。


「この子ね、こんな見た目と雰囲気でしょう? だから学校でもなかなか打ち解けないんだよね」


コトハが困ったように眉を下げて言う。


あたしは素直に頷いた。


それはそうだろう。


ユズは誰がどう見てもとっつきにくい雰囲気と見た目をしている。


「せめて前髪は切ればいいのに」


コトハにそう言われても、ユズは左右に首をふるだけだ。


ユズと出会ってから数分経っているが、あたしはまだユズの声を聞いていないことに気が付いた。


コトハはため息を吐きだし、制服の胸ポケットからヘアピンを取り出してユズの前髪をまとめてやった。


顔がハッキリ見えるようになると、少しだけ印象が変わる。


ユズは整った顔をしていて、笑顔になればきっと可愛いだろう。
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