人格矯正メロディ
「海……?」


恐る恐る声をかけると、海は「あ……」となにかに感づいたようにあたしへ視線を向けた。


すると次の瞬間あたしの手を取り、自分の方へと引き寄せていたのだ。


「ごめん星羅。大丈夫か?」


本気で心配したような声。


「え……?」


「俺、さっき星羅のこと蹴ったよな?」


「う、うん」


頷きながらも嬉しさと戸惑いが込み上げて来た。


これが海の本心なのかどうか、判断ができなかった。


普段から海はあたしを暴行したあと、極端に優しくなるのだ。


『悪かった』『ごめんな』そう繰り返してあたしを抱きしめてくれる。


だけど必ず『お前が悪かったんだ』という言葉を付け加えるのだ。
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