人格矯正メロディ
「殴られたの?」


その質問には答えられなかった。


肯定したら、コトハは海と別れるように説得しはじめるだろう。


それは……嫌だった。


初めて人を好きになって、その人と付き合う事ができたんだ。


それに、海はいつでもあたしのことを殴るわけじゃない。


ほんの少し、気分を害した時に殴るだけ。


海が気分を悪くする原因は、今日みたいにあたしにあるわけだし。


「何度も言ってるけど、海はちょっとおかしいよ?」


その言葉にあたしは顔を上げた。


コトハは真剣な表情であたしを見つめていて、その目に見つめられるとすべてを見透かされているような気分になった。


「いくら喧嘩をしたって、彼女を殴るなんておかしい!」


「そんなことないよ。あたしが悪いんだし」


本当は喧嘩なんかじゃないけれど、あたしはそう言った。


一方的に殴られただなんて言うと、コトハは海の家に押しかけて行ってしまうかもしれない。
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