人格矯正メロディ
☆☆☆

それから5分後、宣言通りコトハは香澄を連れて保健室へ戻ってきていた。


コトハの言葉に耳を貸したということは、香澄もあたしがなにかバラすんじゃないかと不安になっていたのかもしれない。


「星羅ちゃん。どうかしたの?」


体操着姿のあたしを見て香澄はわざとらしく驚いた表情になった。


「あんたがやったんでしょ」


コトハが鋭い口調で言う。


すると香澄は目を見開いて「なんのこと?」と、小首を傾げた。


あくまでもシラを切りとおすつもりらしい。


あたしはトイレの中にいて相手の顔を見ていない。


いくら香澄たちの声だと言っても、『知らない』と言われてしまえばそれまでだ。


きっと、あたしの勘違いとして終わらせてしまうだろう。


そうなる前に……。


あたしはポケットの中でスマホを握りしめ、取り出した。


「なにを勘違いしているのかわからないけど、あたしはなにもしてないよ?」


香澄はあたしとコトハを交互に見て言う。


あたしは香澄の言葉に返事をせず、スマホを操作した。
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