不器用オオカミとひみつの同居生活。
「で、お前は何科?」
「普通科です。花平くんと同じ」
「普通科?家政かと思った」
「なんでですか?」
「なんとなく。メシうめーし」
花平くんはやっぱり喉が渇いたのか、飲み物を取りに冷蔵庫へと向かっていった。
さりげないひと言だったけど、じわじわとうれしさがやってくる。
メシうまい、メシうまい……かぁ。
コーヒーを飲むふりをしてにやける。
誰かにご飯を褒めてもらえたのは初めてだった。