エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
「お前はあいつと結婚したいのか?会社のためとかそんな理由はいらないんだ。率直な気持ちが聞きたい」

洋介さんの私を見つめる瞳に嘘はつけない。

「……結婚したくない」

すると洋介さんが顔を近づけてきた。

「わかった。だったら俺が全力でその結婚阻止してやる」

今なんて言ったの?

「え?でもそんなこと——」

「俺を見縊るな。本当はもう少しギリギリに動く予定だったが、おそらく間に合うだろう」

なんだかよくわかんないけど……本当にいいのだろうか?

だって私の一存で勝手なことはできない。

だけど洋介さんの言葉を信じたい気持ちが大きかった。

すると洋介さんが口角を上げニヤリと笑った。

「な、なんですか?」

身構える私に洋介さんの手が伸び私の頬に触れた。

「それにしてもさっきの熱烈な気持ちには驚いたよ。そんなに俺のことが好きだったなんて」
やっぱり聞かれていたんだ。

恥ずかしくて下を向く。

「嬉しいよ」

甘くとろけるような声に顔をあげた。

そこであることを思い出した。

「そうだ。そう言えばさっきこずえが言っていたけど、洋介さんっていつから私のことが好きだったんですか?」

「はあ?」

「ずるいじゃないですか。教えてくださいよ」

だけど洋介さんにうまい具合にはぐらかされた。

でもまたこうやって話せる日が来るなんて……。

どんな結末が待っても私はちゃんと受け止めようと心に決めた。

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