エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
こずえはちょうど仕事を終えた彼氏と一緒に店を出た。

「座ったら?」

「は、はい」

洋介さんに促され椅子に座る。

どうしよう、急に緊張してきた。

そう言えば洋介さんとこうやって仕事以外で会うのは何週間ぶりだろう。

それにしても私が会社を辞めたいって言ったことを聞かれるとは。

「あ、あの——」

「やめるなんて許さないからな」

先手を取られてしまった。

「で、でもそれじゃあ」

「もちろん俺はやめるつもりはない」

力強い意志を感じた。

するとバーテンダーが私の前にカクテルを差し出した。

それはここで洋介さんと一緒に飲んだものと同じものだった。

「ジントニックです」

バーテンダーは私たちの邪魔にならないように端の方へ移動した。

初めてここで洋介さんと飲んだ時も明久さんがらみだった。

「確認したいことがある」

「……はい」
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