エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
最終章
「な、なんで?二人がここに?」

驚く私にお兄が「お前まだ話してなかったのかよ」と洋介さんに文句を言った。

律ちゃんは私を見るなり「泉ちゃんごめん」と謝られる。

一体何がどうなっているの?


なんだかお兄がいる前で聞くのは恥ずかしけど今はそんなことを言ってられなかった。

「洋介がなんで泉のいる部署に配属になったか知ってるか?……俺が決めたんだよ」

ドヤ顔の兄に私の顔が引きつる。

「意味がわかんないんだけど」

「だから、俺は洋介がウォルカにくると聞いた時、泉と合いそうだな〜って思ったんだよ」

「そうなの?」

初めて聞かされた事実に驚くばかりだ。すると兄は話を続けた。

「だけどお前は全然その気がなかった。洋介はお前に気が合ったのにな〜」

何々?もう、頭が混乱しちゃう。

「彗くん、そういうことは洋介君が後で泉ちゃんに話せばいいことなの。今はそれよりも」

律ちゃんが脱線しそうになった会話を軌道に戻した。


「前にデパートで俺の妹にあっただろ?」

洋介さんが神妙な面持ちで言った。

「うん」

すごく綺麗な人だった。

「今は結婚しているけど、数年前に鴨居に弄ばれて捨てられたんだよ」

私は言葉が出なかった。
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