エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました

ふと時計を見るともう日付が変わりそうな時間だった。

「すっかり遅くなったな」

「はい」

「シャワー浴びる?」

「うん」

ふと思い出したのは愛人として最後に過ごした時間だった。

あのときもう2度と洋介さんと過ごすことはないだろうと思った。

割り切ろうとしても思い出しては胸が痛くなって、この悲しみをどうやって埋めようと思っていた。

だけど、今また手の届くところにいてくれる。

でもまだ喜んではいけない。

嬉しくて笑ったり泣いたりするのは全てがうまくいくまでとっておかないと。

でも一つだけわがままいっていいかな。

私は洋介さんのシャツの裾を掴んだ。

「洋介さん」

「何?」

「今夜はずっとそばにいてください」

すると洋介さんが包み込むように私を抱きしめた。

「ああ、こうやってずっとそばにいるよ。暑くて嫌だって言っても離さない」

冗談まじりの言葉にクスッと笑ってしまう。

そういえば最近笑ってなかったかも。

「私だって、洋介さんが暑いから離れろって言ったって離れないから」
< 150 / 175 >

この作品をシェア

pagetop