泡沫の記憶

「どっちの色がいいと思う?
こっちの方が好きだけど
好きな色と似合う色って違うよね」



「んー…」



「京汰、また上の空だね」



「あ、ごめん…」



「パスタ食べてる時もずっと…
その前から、ずっと…」



「ごめん」



「私を抱いてる時も
いつもの京汰じゃなかった」



「…」



絶対、朱夏に聞こえてたよな…


また朱夏のことを考えてしまう



「今日も泊まってもいい?
また料理するから!」



「え…」



「なんで、そんな困った顔するの?
ウソ、泊まらないよ
明日、仕事だもん」



「あ、うん…」



「ねぇ、夕飯も食べて帰らない?
いっぱい歩いたらお腹すいちゃった」



「んー…」



「朱夏ちゃんが気になるの?」



「いや…
朱夏は…」



「また作り置きなくなったら呼んで!
週末じゃなくても作りに行くから…」



「うん…ありがと…」




ごめん



ずっと

朱夏のことばかり

考えてた



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