泡沫の記憶

「ただいま」



「京ちゃん、おかえり」



「朱夏、夕飯食べた?
食べてなかったら一緒に…」



「食べたよ
昨日、ミクさんが作ってくれたやつ
京ちゃんは?
ミクさんとパスタ食べて来た?
いいな…デートだね」



「朱夏も一緒に来ればよかったのに…
車学休みだったんだろ」



「それじゃ、デートにならないじゃん」



「別に一緒でも…」



「私が嫌なの
…
私もデートしたいな…」



「え…」



「京ちゃん前に言ったよね
私がバイト先の人と映画行った時
そんなのまだ早い…って…」



「うん…」



「いいかな?…もぉいいかな?
私もデートしたい」



「誰と?
朱夏、そんな相手いるの?」



「ん…?」



今日ずっとここにひとりでいた朱夏が

酷く健気に思えた



少し期待した

期待したらいけないこと



京ちゃんと行きたいって

言ってくれないかなって…



朱夏はちゃんと答えなかった



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