幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
シャーロックとユダが微笑む中、エヴァとシリウスは涙を流しながら抱きしめあっていた。



そして、事件から一ヶ月が経った。シリウスとエヴァはすっかり元の日常に戻っている。

エデンの信仰者たちは逮捕され、エデンは解体された。訓練されていた子どもたちは警察に保護されている。

シリウスとエヴァは、アイヴィーたちから心配され、生きて帰って来られたことにまた泣いてしまった。そして、舞台での公演を成功させていく。

「シャーロック、一体どうしたの?」

ある日、エヴァとシリウスはシャーロックに呼び出されて彼の探偵事務所に向かった。シャーロックはどこか嬉しそうな顔をしている。

「実は、会わせたい人がいるんだ」

シャーロックがそう言うと、事務所の奥から一人の少女が現れる。赤く長い髪を揺らし、緑の瞳は涙で潤んでいる。少女の着ているドレスは瞳と同じ緑だ。

「カレン……?」

エヴァの瞳が見開かれる。シャーロックが「隣国で画家として暮らしていたんだ」と言う。
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