18歳で父になった。
車の中で沈黙のまま家に着き、父さんの車があることを確認して入る。
「父さん!ちょっといい?」
時刻は21時。
この時間から母さんは寝てるだろうし、璃苑は部屋で何かしてるだろう。
玄関で父さんを呼ぶと、少ししてひょこっと顔を出した父さん。
「紫苑、久しぶりだね。柚子ちゃんも」
俺と柚子の顔を見た父さんはそう言って笑っているが目が笑っていない。
「とりあえず中に入りなよ。
ここで話す話でもないでしょ」
「ああ、ごめん」
父さんに言われるがままに柚子とリビングへ行くとやっぱり父さん1人だった。
よかった、横から色々口出してくる2人が居なくて。
「で?今度はなんのお願いかな?」
リビングに入って椅子に座ると、そう問われて一瞬言葉につまる。
流石に言いづらいぞ。
俺だって頼まれたら嫌だし…。
なんて思いつつも、父さんにビビりながら口を開いた。
「あのさ、柚子が行く場所がないらしくて行くあてが見つかるまでの間ここに置かせて貰えないですか…」
「……。」
「だ、ダメだよな」
俺の言葉にピクリとも反応しない父さんに不安になってダメ押しすると
はぁ…と深いため息をつかれた。
「ここで俺がダメって言ったら、この子は行くあてがないんでしょ?
紫苑はこうするのが1番いいと思って連れてきたんだよね?」
「う、うん」
「そうだねぇ」
無理だと一蹴りされてもおかしくないのに、とちゃんと考えてくれ父さんに感謝だな。