My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「わかった。今行く」
「セリーン!」

 私は思わずその名を呼んでいた。
 すると彼女は振り返り微笑んだ。

「大丈夫だ。少し加勢してくる」

 セリーンが扉を開けると揃いの帽子を被った乗組員たちは皆安堵の表情を見せた。

「ありがとうございます!」
「すまねぇな」
「いや、行こう」

 そうしてセリーンは後ろ手に扉を閉めた。

「あんたクラスは」
「1stだ」
「そりゃありがてぇ!」

 そんな声と共に複数の足音が遠退いて行く。

「……大丈夫かな」
「ヤバくなったら戻ってくるだろ」

 言いながらラグは扉に近づき鍵を掛けた。
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