元最強女総長は甘くない。
生徒会室からの帰り道、私は抜けた暴走族に思いを馳せた。
別に未練なんてない。
追い出されたと言っても最低限のことをして、自分の意思で出てきたから。
……だけど。
それとなく抜けたんじゃない。
私は、覚悟を決めてそこに全てを誓い暴走族を抜けたんだ。
なのに、今ここで紅狼に入ったら私の覚悟と誓いが意味のなかったことになる。
それだけは嫌だ。
もちろん暴走族が嫌いな訳でもない。
悪い集団だとも思わない。
実際に私がいた暴走族の場所は私にとって居心地のいい場所であったし、大切で守りたいと思えた場所だった。
だからそれをここで悪くいうと過去の私を否定することになる。