はやく俺のモノになればいいのに
よかった。
この人、実柑と知り合いだ。
「女の先輩たちに連れて行かれたんです。たぶん、3年生の」
「はい?」
「見かけませんでしたか? どうしよう先生、身代わりに実柑がっ……!」
「落ち着いて下さい。連れて行かれた、というのは。危機的ムードだったりしたんですか?」
その言葉で、さっきの様子を思い出してみる。
「険悪、とまではいきませんでしたが。穏やかでもなかったような」
「そうですか」
「あの、もしよかったら、一緒に探していただけないでしょうか。危険な目に合っているかもしれないと思うと……」
「その心配はないようですね」
「え?」