はやく俺のモノになればいいのに
"そういえばこの学校の養護教諭が超イケメンとか聞いたなぁ。狙ってみようかな"
いつかの実柑の言葉を思い出した。
その人は、もしかしたら――この人かなっていう。
……ただの勘。
「わたし、アサトです。安里桃葉」
「アサトモモハさん。覚えました。どうしてそんなに慌てているのですか?」
「それは……! 実柑がっ……あ、同じクラスの上野さんがですね」
私の言葉にピクリと眉を動かした谷先生。
「上野さんがどうかしました?」