はやく俺のモノになればいいのに


「それから、もうひとつ」
「なによ」
「彼は大きな誤解をしています」
「誤解?」
「仮に私と上野さんが関係を持ったとして。不倫にはなりません」
「は……?」


実柑が目を見開く。

その表情から、相当驚いているように見える。


「なるでしょ。普通に」
「いいえ?」
「だってソレ」


それ、というのは指輪のことだと、実柑の視線をたどれば理解できた。


「これは、そういうのじゃないので」
「……結婚指輪じゃないっていうの?」
「ええ」
「じゃあ婚約指輪? 不倫にはならないけど浮気にはなるってハナシ?」
「これはペアリングでは、ないです」
「なんでそんな紛らわしいのしてるのよ! それも薬指に!」
「ふふ。内緒にしててくださいね?」
「ふふ、じゃないし!」
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