はやく俺のモノになればいいのに
――――無謀
「それでも私は。実柑が恋することを選んだら。止めずに応援してあげたいです」
「どうして」
「そりゃあ。叶ったら嬉しいじゃないですか」
ユキさんは、ぽつりと
「お節介だね」
と言って
それ以上は、なにも言わなくなってしまった。
時間だけが過ぎていく。
そろそろバスが来る頃だ。
ユキさんは、今朝の出来事を、どう思っているんだろう。
色んなことを聞きたいのに聞けない。
勇気がない。
わたしは、わたしが欲しい言葉を、ユキさんから言ってくれるのを待っている。