はやく俺のモノになればいいのに

「あのときはよくも逃げてくれたわね」


球技大会が盛り上がっているなか、こんな場所に誰かいるなんて思わないだろう。


私を追い詰めるために人のいない場所を選んだのだ。


後輩を脅してまで私への恨みをぶつけるなんて、どうかしてる。


2人に取り押さえられ、ポケットから携帯を取り出される。


「この携帯でユキくんと連絡とったりしてるわけ?」


プールサイドから水面に向かって

まっすぐに手を伸ばすと


不敵な笑みを浮かべ


携帯を


「やめてっ……」


――――トポン


プールの底へと沈めてしまった。


それは、悲劇の始まりに過ぎなかった。
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