はやく俺のモノになればいいのに
「誰」
「ちょっ……なに」
ライターの火が灯っている場所を
素手で覆い被せるように掴むと
「そんなに火遊びしたいなら花火しようぜ」
――――イチヤくん
「まずは、そうだな。その腐った口のなかに火薬ぎちぎちに詰め込んでみるか」
助けに、来てくれた。
「うちら、ちょっと遊んでただけだし」
「そうだよ。本気なわけないじゃん」
「俺は最初から見てたからな」
「え?」
「動画も撮った。それを有効活用するつもりでいるが。なんか言うことあるか」
私を抑えていた先輩が、私から、離れる。
「イチヤくん。手……、やけど」
「どうってことねえよ」
「でも! 熱かったでしょ?」
そっとイチヤくんの大きな手に触れ
火傷を確認しようとしたら
「っ、こんなもん。虫にさされたようなもんだ」
振りほどかれた。
「それよか、この状況。どう落とし前つけてもらうかだろ」