はやく俺のモノになればいいのに
「っていう思い込みでしょー?」
「ちがう。彼女に、してくれた!」
「……なわけないじゃん」
「御幸くん可哀想。厄介すぎて切るに切れなくなってるんだよー」


妄想でも夢でも、幻でもない。


「ユキさんと私は。私たちは。ちゃんと、愛し合ってる」


私の言葉にキレた先輩が

ライターを近づけてくる。


「もし。火だるまになったら、そこに沈めてやるよ」


こんなことができる、この人たちが、怖い。


ユキさんは私を悲しませてきたけれど、こんな心のない連中とは、違う。


いつも苦しんでた。

私を守ろうとして、遠ざけた。


「ビビって声もでないとか」
「バッカじゃないの」


――……焼かれる


「お前らがな」
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