Alice in nightmare World
今までの記憶も曖昧で今まで何をしていたのかも思い出せない。

グルグル回る。グルグル回る。

深くて暗い世界に落ちていく。

グルグル回る。グルグル回る。

ひとつの部屋についた。ここは何処だろう。見覚えは無い。

音楽が聞こえる。ジャズだろうかそれともクラシックだろうか分からないが心地よい音楽が遠くの方から聞こえる。この曲は聞いた事はないがそれを好きだと思えた。何処から流れているのだろう。

何をしていたのだろ。何故ここにいるのだろう。いや現実も不確かな世界でしかない。不安はどこに居ても一緒だ。

ここは何処だろう。うっすらと世界が広がる。

大きな鏡が見える。縁には煌びやかな装飾が施され立派な鏡だ。よく見ると部屋の各所上下左右沢山ある。鏡の奥には醜い私が見える。見たくない?好きじゃない私の容姿。

コンプレックスが沢山ある。もっと綺麗な顔に生まれたかった。

いや、そもそも生まれたくなかったのかもしれない。鏡を見てるとそんな事まで考えてしまう。

こんな世界に生まれたのなら正しい判断なんて出来ない。

ぼんやり容姿について考え事をしていると部屋の奥から甘い匂いが届いて来た。ケーキでも焼いてるだろうか何の匂いだろうか分からない。とても美味しそうだ。

部屋はモノクロで天井には大きく豪華なシャンデリアが見える。とても綺麗だ。煌びやかで繊細な細工に迫力を感じる。

そして部屋の中央には焦げた茶色の大きな扉。その前に白い生き物がいる。誰だろう。
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