幻惑
お正月休みは、二人で近くの温泉に一泊した。

部屋の露天風呂に二人で入り、星を見ながら話す。
 
「来週の休みは、部屋探ししようか。」

私を後ろから抱き、翼は言う。
 
「うん。どの辺に住む?」

翼の胸に寄り掛かり、首だけを傾げて、私は聞く。
 
「店の近くがいいけど。あの辺は、家賃が高いからなあ。」

と翼は答える。
 
「私も働くから。大丈夫だよ。」


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