白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
俺は小百合の言葉にムカついて。
俺の気持ちを無視すんなよって
怒りがこみあげてきて。
気づいたら
小百合の頭を鷲づかみにして。
自分の唇を
小百合の唇に押し当てていた。
「ちょ……ちょっと……龍!
いきなり……」
「小百合が
俺の想いを無視するからだろ!
俺さ、さっきからずっと言ってるよな」
「龍の言葉なんて
信じられないから」
「それなら
お前の心の中にずっと残るように
もう一度だけ言ってやるから」
俺は深呼吸をすると
小百合の頬に
俺の両掌を押し当てた。
そして小百合の瞳を
まっすぐ見つめながら
想いを口にした。